Keyword D 地域農業

Keyword D : 地域農業

地域農業の組織化

iba-imgS01日本の農業経営の平均経営耕地面積は2.2haです。これはアメリカの平均の約80分の1です。このような日本の農業経営規模の小ささは生産費の高さの要因の一つとなっており、輸入農産物との価格競争において極めて不利な状況を生み出しています。このため、農業経営の規模拡大に向けて様々な施策が実施されてきましたが、中山間地域が約4割を占めるという日本農業の特徴もあり、規模拡大は思うようには進んでいません。そこで、大規模な農業経営を育成する一方で、個々の農家が自己の経営を維持しつつ地域内の農家が様々な共同活動を行うことによる生産の効率化が図られてきました。このような「地域農業の組織化」の取り組みは、農業生産だけにとどまらず、地域社会全体の維持・振興への取り組み大きく関わっています。したがって、地域農業と地域社会の相互補完関係のあり方を分析することは研究課題です。

集落営農にみる農業経営の革新

iba-imgS02地域農業の組織化において、集落を単位として農業生産活動の全部又は一部について共同で取り組む組織、もしくはそのような活動を集落営農といいます。主に水田農業において取り組まれており、近年では農事組合法人や株式会社のいった法人化により一つの経営体として農業経営を行う事例が増えています。また、複数の集落にまたがる組織や、いくつかの組織が連合して広域の集落営農を形成する地域も現れています。このような新たな動向は、農村社会、農業経営を取り巻く環境変化への対応であり、農業生産のより一層の効率化を図る取り組みです。さらに、農産加工事業や販売事業に取り組み、生産物の高付加価値化に取り組む組織も増えています。集落営農における経営革新は日本農業の今後の進展方向の一つであり、注視することで様々な問題と課題が見えてきます。

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